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卵巣(らんそう)
卵巣は、子宮(しきゅう)の左右にあり、大きさはウズラの卵くらいです。卵巣の内部には、生まれたときから卵子の元になる原始卵胞(げんしらんぽう)が数百万個あります。
卵巣は、2つあるので、片方を失っても、残った方がしっかりはたらいていれば、赤ちゃんを産むことができるし、ホルモンバランスを保つこともできます。
・卵巣のはたらき
卵巣のはたらきは、原始卵胞を成長させ、卵子(らんし)を排卵(はいらん)させることと女性ホルモンを分泌することです。
原始卵胞は、思春期になる頃には数十万個に減少しています。この中から卵胞刺激(しげき)ホルモンの影響を受け成長した元気な卵胞をより成長させ成熟(せいじゅく)卵胞に育てます。成熟卵胞内では卵子が成長しており、黄体(おうたい)化ホルモンのはたらきにより成長した卵子は卵巣から放出されます。これを排卵といいます。生理の周期にあわせて、約1ヶ月ごとに左右の卵巣から交互に排卵は行われます。
排卵後、卵子は卵管采(らんかんさい)へ吸い寄せられ、卵管を通り子宮へと運ばれます。
卵巣内に残された成熟卵胞は、その後、黄体へと変化し黄体ホルモンを分泌します。成熟黄体を経た後、約2週間くらいで黄体は白体(はくたい)へと変化し老廃物として体内へ吸収され、排泄されます。
白体化が進むころには、新しい原始卵胞が成長を始めています。
・卵巣の腫瘍について
卵巣は、月経周期に合わせて体内の臓器の中ではかなり早い変化を繰り返しています。このため、腫瘍(しゅよう)ができやすい臓器の一つです。良性のものが比較的多いのですが、10代20代の若い女性にも悪性の腫瘍が急増しています。初めのうちは自覚症状はほとんど無いのですが、腫瘍はしだいに大きくなりおなかが張ったり、圧迫感が生じたりして発見されることが多いようです。ゲンコツよりも大きくなると、おなかの上からさわってもしこりがわかるようになります。腫瘍が大きくなると激しい運動などで腫瘍がねじれてしまい、立っていられないほどの激痛で、ショック状態になり緊急な措置が必要になることもあります。このようにならないように、定期的に検診を受けるようにしましょう。
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